IHIの経済的展望等をまとめています
IHI株式会社(IHI Corporation)は、日本を代表する総合重工業メーカーの一つで、「IHI」は、以前の社名「石川島播磨重工業」の頭文字から取られていて、航空機エンジン、宇宙開発、ブリッジ、造船、産業機械、発電プラントなど、幅広い製品とサービスを提供していることで知られています。
会社概要
設立年: 1853年
本社所在地: 〒135-8710 東京都江東区豊洲三丁目
事業内容: 重工業、資源エネルギー、社会インフラ、航空・宇宙、その他多岐にわたる事業領域で、製品及びサービスを提供。
従業員数:約30,000人
株式情報
上場市場: 東京証券取引所
銘柄コード: 7013
東証業種名: 機械
上場市場名: プライム
株式利回り: 100円 2.5%
株主優待: なし
株価収益率(PER):-6.7倍
株価収益率(PBR):1.9倍
1株当たり利益(EPS):-595円
1株当たり純資産(BPS):2101円
自己資本利益率(ROE)10.95%
総資産利益率(ROA)2.33%
PERとかPBRなど上記株価指標って何?という方はこちらをクリック
多角的な事業展開
IHIは重工業、資源エネルギー、社会インフラ、航空・宇宙といった多岐にわたる事業領域で製品及びサービスを提供しています。これにより、特定の市場や経済状況の変動に強い安定した経営基盤を有しており、長期的な投資先としては魅力的。
安定した配当利回り
2.5%の配当利回りを実現しており、これは安定した収益性と将来への成長への自信の証であると同時に、投資家にとって定期的な収益の獲得手段として評価されます。
安定した市場地位
IHIの設立は1853年と古く、長い歴史の中で培われた技術力と実績があります。この安定した市場地位は、新規競合の参入障壁となり、既存顧客との関係を強化すると同時に、新たな事業機会の創出にも寄与しています。
株価の現状
IHIの1年間の株価チャートを分析すると、年初来高値は4,088円、年初来安値は2,480円となっており、この期間内に幅広い価格変動が見られました。
特に、今年に入り回復傾向、最近の株価は3,989円で年初来高値を視野に入れてきました。こちらも防衛や宇宙関連ということで今年もテーマになりそうです。
直近の決算から改善が見えれば、こちらも息の長い上昇トレンドになっていくと思います。
直近の決算内容
IHI株式会社の第207期第3四半期(2023年10月1日から2023年12月31日)の決算内容の要点は以下になります
売上収益と利益
- 売上収益:約8,666億6,300万円で、前年同期比8.4%減少。
- 営業損失:約1,037億8,700万円で、前年同期は利益だったが今期は損失に転じた。
- 四半期損失(純損失):約1,068億4,700万円の損失を記録し、前年同期の純利益から損失へと転じた。
- 1株当たり損失(EPS):-724.32円。
資産、負債、資本
- 総資産:約2兆8,943億2,000万円で、前連結会計年度末比で増加。
- 総負債:約1兆7,455億1,000万円で、前連結会計年度末比で増加。
- 資本金:約1億7165万円、変動なし。
- 資本合計:約3,438億8,100万円で、前連結会計年度末比で減少。
経済環境と業績への影響
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- 世界的なインフレや金融引き締めの影響、不安定な資源価格により、世界経済は減速しています。中国経済の不動産部門の低迷が続き、日本経済は緩やかに回復しているものの、不透明感が残ります。
- 出荷済みのPW1100G-JMエンジンに関する追加検査プログラムの費用などにより、売上収益の減少と多額の損失が計上されました。これらの状況は、今後の業績にも影響を及ぼす可能性があります。
事業戦略と成長見通し
- 航空エンジン事業の堅調:旅客需要の回復に伴い、航空エンジン本体及びスペアパーツの販売が堅調に推移しており、増産に向けた能力増強と生産効率の向上を進めています。
- 中期経営方針:「グループ経営方針2023」に基づき、成長をけん引する航空エンジン・ロケット分野の成長事業と、将来の柱となるクリーンエネルギー分野の育成に経営資源をシフトしています。
IHIの第3四半期決算は、売上収益の減少と営業損失の発生、純損失への転換が主な特徴です。資産は増加しましたが、資本合計は減少し、営業活動と投資活動によるキャッシュアウトフローが見られます。ただし、財務活動からのキャッシュインフローがあり、一定の資金調達は行われています。
世界経済はインフレや金融引き締めの影響で減速していますが、将来的には緩やかな回復が期待されます。IHIは、航空エンジンの増産やカーボンニュートラルを見据えた次世代技術開発に注力しています。また、中期経営方針「グループ経営方針2023」に基づき、成長分野への経営資源のシフトや、クリーンエネルギー分野の育成に努めています。このように、IHIは技術革新と市場ニーズの変化に対応しつつ、安定した成長を目指していることが伺えます。
投資上の留意点
世界経済の不透明性
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- 世界的なインフレや金融引き締め、資源価格の不安定性など、世界経済の減速が見込まれています。これらの外部環境の変化は、IHIの事業展開に影響を与える可能性がある。
航空エンジン事業の課題
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- 出荷済みのPW1100G-JMエンジンに関する追加検査プログラムによる影響が指摘されています。このプログラムに伴う費用は、短期的に業績に影響を与える可能性があります。
資金調達と流動性
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- 財務状況の分析によると、有利子負債が増加している一方で、資金流動性の確保に向けた取り組みが進められています。資金調達の状況と流動性の管理には注意が必要です。
中期経営方針における変革
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- 「グループ経営方針2023」に基づく経営資源のシフトや投資実行の進捗に注目が必要です。特に、成長をけん引する航空エンジン・ロケット分野や、将来の事業の柱として期待されるクリーンエネルギー分野の育成状況は、投資判断において重要なポイントとなります。
研究開発と技術革新への対応
- カーボンニュートラルを見据えた航空機軽量化や電動化などの次世代技術開発への注力は、長期的な成長の鍵を握ります。これらの技術革新への適応力と研究開発への投資状況を評価することが投資上重要。
結論
IHI株式会社は、総合重工業メーカーとして航空機エンジン、宇宙開発、インフラ建設、エネルギーソリューションなど多岐にわたる分野で技術革新を推進しています。持続可能な社会構築に向けた環境対策技術の開発にも力を入れ、グローバル市場での競争力を高めています。その長い歴史と確固たる技術基盤に支えられ、今後もIHIは世界各地で社会の発展に貢献する製品とサービスを提供し続けるでしょう。こちらも防衛と息の長い防衛銘柄になっていくと想定しています。
現在の市場環境と未来の成長戦略に焦点を当てまとめていますが、
売買をお勧めしているものではございません。
投資は常に未来に対する賭けであり、成功の保証はありません。
自身のリスク許容度等を慎重に評価し自身で判断してください。
必ず免責事項に目をお通しください。免責事項
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