川崎重工業の経済的展望等をまとめています
川崎重工業株式会社(Kawasaki Heavy Industries, Ltd.、以下、川崎重工)は、日本を代表する総合重工業メーカーの一つで、世界中で事業を展開しています。
会社概要
設立年: 1896年
本社所在地
東京本社〒105‐8315東京都港区海岸1丁目
神戸本社〒650-8680 神戸市中央区東川崎町1丁目
事業内容: 航空宇宙、エネルギー・環境プラント、精密機械、船舶・海洋、車両・鉄道システムなど幅広い製品とサービスを提供。
従業員数:約35,000人
株式情報
上場市場: 東京証券取引所
銘柄コード: 7012
東証業種名: 機械
上場市場名: プライム
株式利回り: 40円 0.8%
株主優待: なし
株価収益率(PER):70.73倍
株価収益率(PBR):1.5倍
1株当たり利益(EPS):72円
1株当たり純資産(BPS):3396円
自己資本利益率(ROE)9.8%
総資産利益率(ROA)2.3%
PERとかPBRなど上記株価指標って何?という方はこちらをクリック
多様な製品ラインアップと強固な事業基盤
川崎重工業は、オートバイ、航空機、鉄道車両、船舶、環境装置など幅広い製品を製造しており、それぞれの分野で高い技術力を有しています。この多角的な事業展開は、経済や市場の変動に対するリスクを分散し、安定した事業基盤を提供します。
防衛産業における強み
自衛隊の潜水艦や航空機、ミサイルの製造も行っており、日本の防衛産業において重要な役割を果たしています。防衛装備の受注では、一時期日本で第1位、世界で28位にランクインしており、このセクターでの強みは企業の安定性と成長性を支える要因の一つです。
技術革新への取り組み
「テクノロジーの頂点へ」というミッションステートメントのもと、航空機の機体やエンジン、宇宙機器の開発・製造に取り組んでいます。特に、航空宇宙産業においては、世界市場でその名を轟かせており、高い技術力とイノベーションへの姿勢が評価されています
水素エネルギーへの先進的な取り組み
水素エネルギーの利用においても先駆者としての役割を果たしている。特に、液化水素サプライチェーンの商用化に向けた取り組みでは、年間数万トン規模の大規模な水素の液化・輸送技術を確立し、国際間の液化水素サプライチェーン実証を行っています。この分野でのリーダーシップは、脱炭素社会への移行に伴う将来の成長潜在性を示しています。
株価の現状
過去1年間の株価は2671円の最低値から5108円の最高値まで大きく上昇しており、株価の大幅な上昇を示しています
1年間の上昇率は+84.31%です
川崎重工は、三菱重工と違って決算があまり良くなかったこともあり、9月から大きく下落トレンドを作り、そして高値に向かっていきました。
現在は泣く子も黙る、圧倒的な上昇トレンド、こちらも大きな国策で売りなしといったところか。
直近の決算内容
川崎重工業の2024年3月期第3四半期決算の要点は以下の通りです
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売上収益の増加
2024年3月期第3四半期の連結売上収益は約1兆2,290億円で、前年同期比2.7%の増加。
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事業利益の大幅な減少
事業利益は741百万円で、前年同期比99.1%の大幅減少。これは、主にエネルギーソリューション&マリン事業などでの増益があったものの、航空宇宙システム事業、パワースポーツ&エンジン事業、精密機械・ロボット事業などでの損失。
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純損失の発生
四半期利益は約-13,480百万円(純損失)となり、前年同期から大幅に悪化。これは、上述した事業利益の減少が主な原因。
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資本状況
資本合計は約5,893億円で、前期末から上述した損失によりわずかに減少。
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キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュフローは約-97,921百万円となり、前年同期比で大きなマイナスとなっています。投資活動によるキャッシュフローは約-81,109百万円、財務活動によるキャッシュフローは約146,748百万円のプラス。
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配当予想の維持
年間の配当金は、前期の実績に基づき、第1四半期末に30円、第2四半期末に20円、期末に40円の配当を予定、予想からの修正は無し。
2024年3月期の見通しは、エネルギー&マリン事業の増収を見込んでいる一方で、精密機械・ロボット事業の販売見通しの引き下げを予想。また、パワースポーツ&エンジン事業における米国向け四輪車に関連するリコール費用の計上など、一部の減益要因が予想されていますが、航空宇宙システム事業やエネルギーソリューション&マリン事業の収益性改善による増益が期待されているようです。連結受注高については、航空宇宙システム事業の防衛省向け増加やエネルギー&マリン事業の国内向けごみ処理施設増加により、前回公表値から400億円増の1兆9,500億円となる見通し。短期的にはいくつか試練がありそうだなという印象ですが、こちらも勿論メインテーマ。
投資上の留意点
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事業利益の大幅減少
2024年3月期第3四半期の決算では、事業利益が前年同期比で大幅に減少しています。収益性の低下は、特定の事業領域での挑戦や市場環境の変化が原因かもしれませんが、持続可能な収益性への影響をは考える必要がありそう。
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純損失の報告
四半期利益が大幅に悪化し、純損失を記録している。短期的な財務状況に懸念が出る可能性も。
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連結業績予想の見直し
2024年3月期の業績予想では、売上収益は増加する見通しですが、利益関連指標は大幅に減少すると予想されています。将来の収益性への影響や、業績回復へ向けた企業戦略の有効性を慎重に評価することが求められます。
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市場および業界動向の変化
航空宇宙やエネルギーソリューションなど、川崎重工業が展開する市場の動向に敏感です。グローバルな経済情勢や技術革新、環境政策の変化など、外部環境の変化が業績に大きく影響する可能性があります。
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中長期的な成長戦略と投資
水素事業や次世代モビリティなど、新たな成長分野への投資や戦略的取り組みが将来の成長機会を提供する可能性があります。これらの分野での競争力や市場ポジション、技術革新の進展状況に注目したい。
結論
川崎重工業は、船舶、鉄道車両、航空機、モーターサイクル、ガスタービン・ガスエンジン、産業プラント、油圧機器、ロボットなど、多岐にわたる製品を展開する総合エンジニアリングメーカーです。技術の企業集団として、100年を超える技術の歴史を持ち、先端技術を駆使して新たな価値を創造し、陸・海・空を通じて社会の発展に貢献しています。長期的な成長戦略、新しい技術への投資、市場や業界動向の変化により影響を受けやすいでしょう。こちらも息の長い国策になるでしょう。
現在の市場環境と未来の成長戦略に焦点を当てまとめていますが、
売買をお勧めしているものではございません。
投資は常に未来に対する賭けであり、成功の保証はありません。
自身のリスク許容度等を慎重に評価し自身で判断してください。
必ず免責事項に目をお通しください。免責事項
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